保健師さんと、情報伝達

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信州大学の子が4名、塩尻市にインターンシップに来ていたそうで、その報告会にでました。

いろいろと思うことがあって、面白かったのでログに残しておこうと思います。

ちなみに私は保健師さんについて今日はじめてちゃんと知ったレベルの素人ですので、内容に間違いなどもあるかもしれませんがあしからず。

保健師は「健康の維持増進の仕組みづくりをする専門家」

「保健師ってなに?」というレベルの私でしたが、話を聞いてみると「公衆衛生看護」ということをやっているそう。
もうちょっと詳しく言うと「地域住民がしあわせに暮らすために、あらゆる年代、健康レベルの地域住民を対象に、予防視点で地域住民の健康・維持増進をサポートし、人々の暮らしを支えたり、支える仕組みづくりを行う専門家」。

病気になったらお医者さんの出番。相手にするのは「患者」さん。
保健師さんは病気になる前の人達、つまり「人全体」の健康も対象。なので「予防活動」が基本になるそうです。(病気の後も関わることもありますが)

手取り足取りサポートをするというよりも、主役はあくまでも「個人」。
専門家は「後押し」というイメージです。背中を押したり、やりやすいように道を整えたり。

「しあわせに暮らせること」は総合的

さきほど「地域住民がしあわせに暮らすために……」とあったのですが、「しあわせに暮らす」という言葉はとても総合的な意味を持っていて。

参考:幸福度に関する研究会報告 ―幸福度指標試案―

上の図によると、幸福度とはなにか一つによるものではなく、トータルで感じることのできる感情です。

この図の中の「健康ー身体面/精神面」また「関係性」の部分から、「地域住民がしあわせにくらす」を支える。それが保健師です。

こういうのが大好物なので、私にも「関係性」の分野から社会全体の幸福度をあげていくことができるかもしれない、という妄想も広がりました。

町の人たちに声を届けることの難しさ

保健師さんのお仕事の中で「住民との関わり」というのが、テーマとしてでてきます。

昔は、町のお祭りや運動会などで「保健師さーん、最近眠れなくてね…」みたいな声をかけられるような存在だったそうです。
しかし現在では、なかなか保健師という存在の認識もされづらくなっている…。

その理由の一つは、国の施策で医療費削減からくる予防についての仕事が増え、住民と関わる仕事に手が回りきらない(やってないわけじゃないよ)ということもあるのですが、
そもそも、「町」という仕組みが今と昔でだいぶ変わったこともあるはず。

以前は、情報が町へキレイに流れていく仕組みが機能していたし、町の人の顔がわかり、声を届けようと思えばスムーズに広がっていきました。
でも今では、区会に入っていない人も多く、移住で来た人も増えました。
以前と同じ方法では、町の人に声が届きにくくなっています。

その中で、たとえば「健康相談会やるよー」と声をあげても、声が届かない。

無数にある「個」にどう届けるのか

これはもう保健師うんぬん関係のないテーマなのだけど、すでに「ここに情報を流せば、スムーズに広がる」というのは、基本ない。

もちろん個が集まって小さく「グループ」になっていることもあるけど、それでも昔の町単位のグループよりは小さかったり、そもそも地域によらないグループだったり。

きっと泥臭く「個」「個」にひとつひとつアプローチするしか無いんだろうな。

そんな小さい活動は、とても大事で。でも全部に広めていくのは、途方も無い。

だからひとりひとりが、それぞれ好きなように、自分の好きな「個」に伝達していく。
それは時に、ぐわっと大きな広がりを見せることがあるかもしれないし、時にすぐに消えてなくなってしまうかもしれない。

大事なのは、広げている本人も「楽しんでいて、しあわせ」であることだと思う。

改めて、世の中にはいいものがいっぱいある(知らないだけで)

最近、「新しいものを作り出すこと」よりも「今あるものをちゃんと知って、使う」ということに興味があるのだけど、まさに今回のことも同じ話。

でも制度だけの話じゃなくて、熱い想いを持っている人もいたら、適当にしてる人もいるかもしれない。
結局ここでも「個」の話になる。

もちろん「誰が発信してるねん」というこっち側の「個」の話も含めて。

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